日本が資本主義国家だなんて冗談言ってはいけません。
日本経済が低迷している原因を探るために本を読んできて1つ驚いたのは、日本は経済において資本主義国家と聞かされてきたためにそう思い込んでいたのが実は違って、日本が社会主義国家であったということである。
この正反対の性質が混合しているのが現在の日本経済である。日本経済の低迷は、この二つの主義の側面両方によるもので、どちらか一方とは言えないだろう。
小室直樹から学んだことは、資本主義経済のエッセンスは倒産と失業による自然淘汰であるということである。市場の自由競争では生物の食物連鎖の如く、食って食われるという連鎖で生態系のバランスは保たれている。市場経済も同じように、国は介入しないで、自由な市場競争で企業が自然淘汰されるのが資本主義の本質なのだという。国が介入してしまうとその経済バランスを壊してしまうのだ。
そう考えると、日本においては完全な市場原理の競争はなされていない。不正などを犯して倒産してもおかしくない企業が国からの援助で倒産しない。国の介入は、経済活動において不公平を招いてしまう。
だから、そういった不公平をなくす意味においては、市場が自由に競争できるよう改革をするべきなのだ。だが、それを主張するにしても、現在の日本においてはやはり慎重にならざるを得ない。どういった点で競争をいれるのかが曖昧になり、小泉内閣の構造改革のように歪んだ改革がなされてしまう。
とはいえ、日本経済の低迷は社会主義の側面の方が露骨に出ているように思う。特別会計などのように、税金の使われ方の透明性が全くない日本がこのままいけば、ソビエト連邦やアルゼンチンのように財政破綻となる可能性は十分有り得る。
社会主義経済の性質のために、ケインズ経済も上手く機能しない。なぜなら、ケインズ経済は役人が有能で信頼がおけることを前提にしているからだ。つまり、ハーヴェイロードの前提である。日本では役人は信頼足り得るか?とても思えない。
日本においては、思い込んでいたことが実は違っていたということが多々ある。思い込みは恐い。常に疑う姿勢を持たなければならない。